レザーの特性について
INCROCI MILANO
ナチュラルマーク
すべての革には、 シミ、傷、シワなど、動物として生きていた証【ナチュラルマーク】が残されています。
皮に残された、木や茨のトゲなどによるすり傷や切り傷が治癒した跡、虫に食われた跡、首のシワや血筋などは、まさに”生き物だからこそできた”「生命の証」です。
私たち人間は、この自然の模様を革のキズ=瑕疵として避けがちですが、本当にそうでしょうか?
もちろん耐久性に関わるような傷やシワは問題外ですが、小さな傷が、その動物が私たちと同じように懸命に生きた証であることに思いを馳せると、その一つ一つが愛おしく思えてきます。
ぜひ高品質な天然皮革ならではの特性を理解し、長く愛せる自分だけの逸品を見つけてください。
シワ・色むら
天然皮革に最もよく見られるナチュラルマークが「シワ・色むら」です。動物の部位によって皮膚の厚さや繊維質はそれぞれ違うため、同じように染めても色むらが出たりします。
また、表面のシワに染料が入り込んで濃くなったり、革の表情によっても色の差がでます。
それぞれの色の表情が、本革の奥行きとなり、魅力となります。
血筋
血筋(ちすじ)は、皮膚の下の血管の痕で、皮膚の厚さや血管の太さによって、薄いものから深いものまで様々なものが現れます。
トラ
革のショルダー(首周り)部分に残る、縞模様です。立体だった皮を平らにする際にできるものです。
まるで虎の模様のように見えるため「トラ」と呼ばれ、トラが作る革の濃淡は、革の表情を豊かにする個性としてヨーロッパではとても愛されています。
バラ傷
動物が生きる中で何かに衝突したりしたときの小傷や、虫刺されの跡が「バラ傷」です。放牧飼育された動物など、自然に近い良い環境で育つほどバラ傷は増えますが、ストレスが少なく健康に育った、まさに「天然皮革」であることの証拠です。
ピンホール
毛穴や毛根が残ったものが「ピンホール」です。特に染料で仕上げ、表面加工をほとんどしない革は、自然の表情としてしばしば見られます。
エイジング
天然皮革のなめし方には【ベジタブルタンニンなめし】【クロムなめし】の2種類があります。
また、その2つのなめし方のいいとこ取りをした【コンビなめし】も存在します。
どれもその特性があり、美しい本革の風合いを楽しんでいただけますが、
その中で【ベジタブルタンニンなめし】の革には、クロムなめしや人工皮革には見られない、時を経て使い込まれることによって豊かな表情を見せていく【エイジング】という変化が現れます。
その変化は使用されている革の部位、染め方、使用頻度、使用方法などそれぞれの使い方によって異なり、ひとつひとつが唯一無二の変化をすることから、他にはない自分だけのものを育てていくことができます。
そのエイジングの際、それまでについた傷や、元々のナチュラルマークがどんどん美しく、愛すべき存在になっていることに気づくでしょう。
製品の個体差について
INCROCI MILANOで扱っている天然皮革の中で、特にベジタブルタンニンレザー製品については、染料、また染め方の観点から、クロムなめしに比べて、より一点一点のカラーの濃淡の個体差が出ます。
また、シュリンクレザーについては、ナチュラルシュリンクの場合、シュリンク(シワ)の入り方には部位によって大きな差が出ることがあります。
一点一点、違うからこそ、唯一無二の魅力があることをご理解いただき、使う人によって変化していくからこそ楽しい天然皮革の魅力を、ぜひお楽しみください。